採用サイトの制作期間はどのくらい?工程と遅延しやすいポイントを解説

採用サイトの制作期間はどのくらい?工程と遅延しやすいポイントを解説

採用サイトの制作を検討するとき「いつまでに公開できるか」は採用スケジュールに直結する重要な問いです。「来月までに公開したい」と相談を受けることがありますが、採用サイトの制作は短く見積もっても3ヶ月、しっかり作り込むなら半年程度を見ておく必要があります。なぜそれほどの期間が必要なのか、工程ごとに理由を解説します。遅延しやすいポイントとスムーズに進めるための準備事項も合わせて整理するので、制作前の見通し立てにぜひ活用してください。

採用サイトの制作期間の目安

採用サイトの制作期間は、ページ数・コンテンツの種類・自社側の情報整理のしやすさによって変わりますが、おおよその目安は以下のとおりです。

制作規模 期間の目安 前提条件
最小構成(10ページ未満) 2〜3ヶ月 掲載内容がほぼ決まっており、原稿や素材が手元にある場合
標準構成(10〜20ページ) 3〜5ヶ月 社員インタビューを数名分新規制作する場合
充実構成(20ページ以上) 5〜8ヶ月 新卒・中途の分離、複数のインタビュー・職種ページを新規制作する場合
※自社側のレスポンス速度・確認フローの複雑さによって大きく変わります。あくまで目安としてご参照ください。

「すでに掲載する内容が明確で資料も手元にある」という状態ならば制作期間を短縮することも可能です。しかし採用サイトを新規制作・リニューアルする際は、社員インタビューなど人にフォーカスしたコンテンツを新たに作成するケースが大半です。こうしたコンテンツは人の調整・チェックが必要になるため何かと時間がかかります。「思ったより時間がかかった」という声が多いのはこのためです。

なぜコーポレートサイトより時間がかかるのか

通常のコーポレートサイト制作と比べて採用サイトが時間を要する最大の理由は、コンテンツの作り方にあります。コーポレートサイトは既存の会社資料や製品情報をもとに制作できますが、採用サイトは「社員の声」「1日の流れ」「キャリアストーリー」など、ゼロから生み出すコンテンツが多く、しかも社内の複数の人が関与する承認フローが発生します。これが制作期間を押し上げる主な要因です。

制作工程ごとにかかる期間と遅延しやすいポイント

採用サイトの制作は大きく「準備フェーズ」「設計フェーズ」「制作フェーズ」「確認・公開フェーズ」の4段階に分けられます。それぞれの工程で発生しやすい遅延ポイントを確認しておきましょう。

準備フェーズ:情報整理と要件定義(目安:2〜4週間)

制作会社に依頼する前後で、自社側が行う情報整理の工程です。ここが不十分なまま制作に入ると、後工程で大幅な手戻りが発生します。

  • 主な作業内容:採用方針の確認・掲載コンテンツの洗い出し・競合採用サイトの調査・予算の確定・制作会社の選定・発注
  • 遅延しやすいポイント:採用方針が社内で固まっていない、予算承認に時間がかかる、制作会社の選定・比較に想定以上の時間がかかる
  • スムーズに進めるコツ:採用担当者だけでなく経営層・人事責任者を早い段階から巻き込む。制作会社への問い合わせは複数社に同時並行で行う

設計フェーズ:情報設計・画面設計・構成案作成(目安:2〜4週間)

制作会社と共同で行う、サイトの骨格を作る工程です。ここでの判断が後続するデザイン・コーディングの品質を左右します。

  • 主な作業内容:サイトマップ作成・各ページのワイヤーフレーム(画面設計図)制作・キーワード検討・コンテンツ量の確定
  • 遅延しやすいポイント:ページ構成の確認に社内の複数部署を通す必要がある、インタビュー対象者や職種ページの対象が未確定のまま設計を進めてしまう
  • スムーズに進めるコツ:設計フェーズの確認者・承認者を事前に明確にしておく。インタビュー対象の社員候補を並行して検討し始める

デザインフェーズ:デザイン制作・チェック・修正(目安:3〜6週間)

画面設計をもとにビジュアルを制作する工程です。トップページ・主要ページのデザインを先行して作り、承認後に残りのページへ展開していく流れが一般的です。

  • 主な作業内容:トップページデザイン・下層ページデザイン・デザインレビュー・修正対応
  • 遅延しやすいポイント:デザインの方向性について社内の意見がまとまらない、修正のたびに新たな意見が出てループする、写真素材が揃っていないままデザインが進まない
  • スムーズに進めるコツ:デザインの方向性は事前にリファレンス(参考サイト)を複数集めて共有しておく。デザイン確認の期限を設けてループを防ぐ

コンテンツ制作フェーズ:原稿・撮影・インタビュー(目安:4〜10週間)

採用サイトで最も時間がかかりやすいフェーズです。社員インタビューの制作・写真撮影・各ページの原稿作成が並行して進みます。特に社員インタビューは関わる人数が多いため、調整に時間を要します(詳細は次の章で解説します)。

  • 主な作業内容:会社紹介文・職種説明・福利厚生コンテンツ・募集要項などの原稿作成、社員インタビューの取材・執筆・写真撮影
  • 遅延しやすいポイント:社員のスケジュール調整が難航する、原稿のチェック・修正に予想以上の時間がかかる、カメラマンの手配や撮影日程の調整が遅れる
  • スムーズに進めるコツ:コンテンツ制作の工程は設計フェーズと並行して動かし始める。社員インタビューの対象者選定は早い段階から着手する

コーディングフェーズ(目安:2〜4週間)

確定したデザインと原稿をもとにHTMLとCSSでページを構築する工程です。デザインと原稿が確定していないと着手できないため、前工程の完了が遅れると後ろ倒しになります。

  • 遅延しやすいポイント:デザイン修正や原稿変更が発生してコーディングのやり直しが生じる
  • スムーズに進めるコツ:デザインと原稿を同時にFIXさせてからコーディングに移行する。途中変更が発生した場合は制作会社に都度相談する

テスト・確認・公開フェーズ(目安:1〜2週間)

コーディングが完了したサイトをテスト環境で確認し、修正対応を経て本番公開する工程です。

  • 主な確認項目:スマートフォン・PCでの表示確認、リンクの動作確認、エントリーフォームの送受信確認、ページ速度の確認
  • 遅延しやすいポイント:確認者がまとまった時間を確保できない、修正箇所が多く対応に時間がかかる
  • スムーズに進めるコツ:テスト確認の担当者と期限を事前に決めておく

最も時間がかかる工程:社員インタビューの制作フロー

採用サイトの制作で最も時間を要するのが社員インタビューのコンテンツ制作です。1名のインタビューページを完成させるまでには多くの関係者が関わり、それぞれの調整に時間がかかります。工程を一つひとつ見ていきましょう。

  • STEP1
    インタビュー対象者の人数・職種・年次を検討する
    何名を掲載するか、どの職種・年次・バックグラウンドの社員を登場させるかを採用方針に沿って決定します。多様性を持たせるほど候補者の選定に時間がかかります。
  • STEP2
    社員本人への打診と情報公開の範囲確認
    選定した社員に打診し、顔出しOKかどうか・名前はフルネームかイニシャルか・どこまでの個人情報を掲載してよいかを確認します。社内での検討時間も含めると、ここだけで1〜2週間かかることがあります。
  • STEP3
    インタビュー日程・形式の調整
    インタビューを業務時間内に行うか業務外手当を支給して行うかを確認したうえで、対象社員・制作会社のディレクター・ライター・カメラマンのスケジュールを合わせます。複数名の日程を調整するのは想定以上に時間がかかることが多いです。インタビュー形式は対面かZoomなどのオンラインかによっても調整の工数が変わります。
  • STEP4
    インタビュー実施・写真撮影
    インタビュー中に撮影を行うか別日に撮影するかを事前に決めておく必要があります。別日撮影の場合はさらに日程調整が発生します。撮影はカメラマンが実施後にデータを選定・調整するため、納品まである程度の時間を要します。
  • STEP5
    原稿の執筆・チェック・修正
    ライターがインタビュー内容をもとに原稿を執筆します。完成した原稿は制作会社→採用担当者→インタビュー対象の社員本人の順でチェックが入り、修正対応が発生します。事実確認・表現の修正・ニュアンスの調整など、チェックの往復が複数回になることもあります。
  • STEP6
    デザイン・コーディング
    原稿・写真・デザインの3つがすべてFIXして初めてインタビューページのコーディングに入れます。どれか一つでも未完成だと着手できません。
  • STEP7
    最終確認・公開
    コーディング完了後にテスト環境で表示確認・リンク確認を行い、問題がなければ公開です。

社員インタビュー1名分でもこれだけの工程がある

上記のSTEP1〜7を見ると、インタビュー1名分を完成させるだけでも相当な工数と労力が必要なことが分かります。これが複数名になれば当然その分だけ時間が伸びます。しかも通常業務を行いながらこれらの調整を進めるため、よほど情報が整理されていない限りスムーズには進みません。採用サイトの制作期間が予想以上に長くなる理由の大半はここにあります。

インタビュー以外のコンテンツも時間がかかる

社員インタビューほど複雑ではありませんが、ほかのコンテンツ制作にも一定の時間が必要です。

役員・代表確認が必要なコンテンツ

  • ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)
  • 代表メッセージ
  • 採用コンセプト・求める人物像

これらは自社の代表や役員が確認・承認するケースが多く、スケジュールの確保と往復の修正に時間を要します。

他部署との連携が必要なコンテンツ

  • 職種紹介・部署紹介
  • 福利厚生・研修制度
  • キャリアパス情報
  • 募集要項

採用部署だけでは情報が揃わないため、各部署への確認・情報連携が必要です。通常業務と並行しての対応になるため、回答が滞りがちです。

採用サイトの公開タイミングはいつがベストか

採用サイトの公開タイミングは、採用活動のスケジュールに合わせて逆算して考えることが重要です。昔のように「新卒採用解禁日に合わせてリリース」という決まったタイミングは薄れましたが、求職者が情報収集を始める時期に合わせてサイトがある状態を作っておくことは今でも大切です。

採用種別 求職者の動き出し時期 採用サイトの目安公開時期
新卒採用 大学3年の12月〜2月頃から情報収集を始める傾向がある 前年の12月〜1月には公開しているのが理想
中途採用(4月入社想定) 入社2〜3ヶ月前から企業選定・書類選考・面接のプロセスが進む 前年の12月〜1月には公開が望ましい
中途採用(10月入社想定) 同様に入社の2〜3ヶ月前から動き出すケースが多い 7月〜8月には公開が望ましい
※転職活動のプロセスは企業選定から内定まで2ヶ月程度かかることもあるため、余裕を持った公開が重要です。

制作期間が3〜6ヶ月かかることを踏まえると、新卒採用向けに12月公開を目指すなら6月〜9月には制作に着手している必要があります。「秋になったら制作を始めよう」では間に合わないケースがほとんどです。

リニューアルの場合も期間は変わらない

既存の採用サイトをリニューアルする場合も、新規制作と同様に3〜6ヶ月を見ておく必要があります。既存コンテンツの棚卸し・更新・新規コンテンツの追加など、むしろ既存サイトとの整合性を取りながら進めるぶん追加の調整が発生することもあります。

スムーズに進めるための事前準備チェックリスト

制作をスムーズに進めるためには、制作会社に依頼する前から自社側で準備を進めておくことが重要です。以下のチェックリストを参考に、準備の状況を確認してみてください。

採用方針・体制の確認

  • 採用ターゲット(新卒・中途・職種)が確定しているか:ターゲットが固まっていないと、コンテンツの方向性が決まらず設計工程が遅れます
  • 採用コンセプト・求める人物像が言語化されているか:「どんな人に来てほしいか」が採用サイト全体の骨格になります
  • 制作の意思決定者・承認フローが明確になっているか:「誰が最終確認するか」が不明確だと修正ループが発生しやすくなります
  • 予算の承認が取れているか:制作途中で予算が変わると仕様変更が生じてスケジュールに影響します

コンテンツの準備

  • 会社概要・事業内容の資料が整っているか:既存のコーポレートサイトや会社案内があれば制作会社への共有がスムーズです
  • MVV・企業理念がすでに言語化されているか:ない場合は制作と並行してまとめる必要があり、役員の時間を確保しなければなりません
  • 募集要項の情報が整理されているか:給与・勤務地・勤務時間・休日・待遇など、正確な情報が手元にあるか確認します
  • 社員インタビューの対象者候補が挙げられているか:候補者の洗い出しは早いほど制作全体のスケジュールが安定します
  • 使用できる既存の社内写真があるか:撮影が必要かどうかの判断と、撮影の段取りを早めに始めるためです

制作会社との連携準備

  • 参考にしたいサイト(リファレンス)を複数集めているか:デザインの方向性共有に役立ちます。自社と同業・近業界の採用サイトを3〜5件程度集めておくと良いです
  • 競合他社の採用サイトを把握しているか:自社の差別化ポイントを整理するために競合サイトの調査は事前に済ませておくと制作に入りやすくなります
  • 使用するCMS・採用管理システムの方針が決まっているか:WordPressを使うか専用SaaSを使うかで制作仕様が変わります

制作会社への情報提供が早いほどスケジュールは安定する

制作会社への発注後にスケジュールが伸びる主な原因は、自社側の情報提供の遅れと承認フローの長さです。制作会社がどれだけ優秀であっても、自社から情報が届かないと次の工程に進めません。採用担当者が通常業務と並行しながら採用サイトの制作対応をするのは相当な負担になりますが、事前準備を厚くしておくことが結果的に最もスムーズな進め方です。

まとめ

採用サイトの制作期間についてのポイントを整理します。

  • POINT1最低3ヶ月、しっかり作るなら半年を見込む:社員インタビューなど人にフォーカスしたコンテンツの制作が期間を押し上げる最大の要因
  • POINT2社員インタビューは工程が多く最も時間がかかる:対象者選定・打診・日程調整・撮影・原稿チェックまで、1名でも数週間〜1ヶ月以上かかることがある
  • POINT3公開希望日から逆算して制作開始時期を決める:新卒採用の12月公開を目指すなら6〜9月には着手が必要
  • POINT4自社側の情報提供と承認スピードがスケジュールを左右する:制作会社への情報提供が遅れると全工程が後ろ倒しになる
  • POINT5事前準備を早めに始めるほどスムーズに進む:採用ターゲットの確定・インタビュー候補者の洗い出し・参考サイトの収集は制作会社への発注前から動き出せる

制作期間の見通しが立ったら、次は費用の相場やコンテンツの設計を詳しく確認してみてください。以下の関連記事も合わせてご参照ください。

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0円からはじめるWebマーケティング運営
0円からはじめるWebマーケティング運営者 https://zero-marke.jp/

Webの仕事に20年以上携わり、Web戦略支援、Webマーケティング、Webサイト制作、Webメディアの運用、Web広告の設計から運用などを担当。ナショナルクライアントから中小、ベンチャー、個人事業主までさまざまなクライアント様の仕事に従事。

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