製造業や製造メーカーのWebサイトは「製品」点数が非常に多いケースがあるため情報の整理が非常に重要になります。SEOの視点でいうと、その業界で名前が通っていたり、製品ブランドが確立しているケースも少なくないため、検索結果に表示されることは少なくないでしょう。しかし新規取引先の拡大や、製品をわかりやすく見せる方法など、いくつかポイントがあります。この記事では製造業や製造メーカーの「SEO」と「見やすく」「分かりやすい」を考慮したBtoBサイト構造について100サイト以上閲覧し、簡易ではありますが分析を行った内容を加味して紹介していきます。
キーワードを調べる
まずはWebの市場とも言えるキーワードの調査を実施しましょう。
製造業や製造系メーカーにとっては自社の社名や製品ブランドがすでに確立されている場合もあるかと思います。恐らくそれは競合も同様です。差をつけるには、よりユーザーが望むことを把握することが必要不可欠です。そのニーズを掴むためにも検索されているキーワードの把握は欠かせません。
どのような手順で、どのツールを使うのかを紹介します。
製造業 製造メーカーの検索キーワードと検索ニーズ調査
まずはざっくりでいいので、顕在ワード、準顕在ワード、潜在ワードの3種類に分けて書き出してみましょう。
顕在ワードとは「自社名」「製品名」など自社を把握しているワード群です。ゲームに例えると「ソニー」「SONY」「プレイステーション」「PS5」などが該当します。
準顕在ワードとは、広い意味での製品名称です。例えると「太陽光パネル」「太陽発電」などが該当します。太陽光発電と言っても、国産メーカーから海外メーカーまで幅広く、toC,toB向け、モバイルバッテリーのような小型なものから、メガソーラーと規模の大きい発電設備までさまざまです。潜在ワードと被るワードもありますが、このあたりを顕在ワードとして分類しておくと良いでしょう。
次に潜在ワードです。潜在ワードは準顕在よりもさらに製品などの認知度が低いものを指します。例えば「冷風機」という製品を認知していない検索で「扇風機よりも冷える機械」「小型 エアコン」「冷たい風 扇風機以外」などの検索が挙げられます。」
製造業・製造メーカーのキーワードカテゴリ例
- 指名ワード(製品名・社名): あるT社が扱う繊維素材の製品名や社名を指します
- 製品分類: ねじ関連では「タップ」「ノルトワッシャー」バリ取りホルダ」など
- 一般的な名称: ねじであれば「ネジ」「ボルト」「ナット」など
- 機能・特長: 塗料を例にすると「遮熱塗料」「超低汚染」などの機能や製品特長を表すワード群
- 情報収集ワード: 他のワードと組み合わせで使われる「カタログ」「スペック」「仕様」情報収集と関連性が高いワード群
- 問題解決ワード: 「強度が高い」「導入が容易」「操作がしやすい」などの問題解決に繋がるワード群
キーワード調査の方法
キーワードのカテゴリをある程度まとめた後は、キーワードが検索されているか、検索ボリュームの調査を行います。またこのキーワード調査を行うことで、上記で抽出していないニーズに関わるキーワードや全く予期しないワードの掘り起こしができる場合があるため、よりユーザーが好むサイト構造にする場合はキーワードの調査を実施することをおすすめします。
- Google キーワードプランナーの活用
Googleが提供する「キーワードプランナー」というツールを活用しましょう。このツールは主にGoogle広告に付属するツールになり、無料で使用することができます。キーワードプランナーではGoogle検索などで検索された検索ワードの月平均ボリューム、競合性などの指標があり、調査したワード以外の検索ワードを表示してくれるなど、関連するワードも確認ができます。
また後に広告配信を行う際に活用することができますため、まずはこのツールから利用するのも手です。
- Google検索の「関連検索」と「サジェスト」
「サジェスト」は検索する際にワードを入力した際に、入力窓の下部に表示されるワードを指します。
「関連検索」は検索した後で実際に検索されたキーワードを基に関連するワードの検索候補を表示してくれる表示を指します。この2点はどちらもキーワードを調査する上でチェックしておくとよいでしょう。
Google検索の「関連検索」

Google検索の「サジェスト」
検索ニーズの分析
これまで抽出してきたキーワードの背後にある顧客、準顧客、潜在顧客のニーズや検索の意図を理解することはサイト構造、ページの設計で重要な要素です。過去に製造業、製造メーカーのサイトリニューアルを行いましたが、製品名と説明だけで構成された一覧ページと問い合わせ先のメールアドレスと電話番号が記載されたサイトを見かけることが多くありました。
そのようなページ構成では競合が複数ある場合は相見積もりの候補から外れる場合があり、新規顧客の獲得機会を逃す恐れがあります。事実新規顧客の増加がなく、既存顧客からは仕様やカタログをダウンロードできるないかという要望があった企業様もありましたため、顧客が求める情報や利用方法に関する要望を汲み取る工程は必須と言えます。
製造系のBtoBは多種に渡ります。ここでは汎用的な例を挙げていきます。
| 検索キーワード | 想定ニーズ |
|---|---|
| 「ロックタイト 263」 | 工業用製品ではありますが、実際にこのキーワードで検索がされています。このような製品名で検索している場合は、製品を探している、製品情報を知り得たいなどのニーズが考えられます。 |
| 「木製 ディスプレイ 什器」 | この検索を行っている場合、自社、製品などの認知は無いが、木製の什器を製造できる事業者を探していると推測できます。このテーマで製品、製造カテゴリを作成していれば自社サイトを閲覧してお問い合わせに繋がる可能性があります。 |
| 「射出成形 試作」 | 製品の部品などの試作を作りたいというニーズが考えられます。射出成型では1点ものの試作から試作金型といった意味合いが含まれることがあり、かつ製造関連の事業者にとっては重要な工程ですので、このニーズに対するコンテンツを作成しておくとよいでしょう。 |
競合の調査
サイトの構造、ページ構成や設計をするにあたり「競合の調査」は重要なプロセスです。簡単に言うと100m種目の選手や世界記録を知らずに、自分の走りをみせるようなものです。
競合には大きく分けて3つの項目があります。一つひとつ見ていきましょう。
- 既存の主要競合: すでに自社とシェアを競っている既知の競合です。もし新規参入の場合はこれからシェアを奪いに行く相手になります。主にこの競合をベンチマークして調査・分析を行います。この競合の場合は製造の用途や種別で検索を行えばすぐに把握することができるでしょう。
- 代替となる製品・サービスを扱う競合: 素材、工法、異なる技術で既存の製品、サービスにとって代わる恐れのある商材を扱う企業になります。分かりやすい例でいうと、脱プラスチックの代替品として植物性由来の素材を利用した製品が挙げられます。このケースでは国、自治体単位の外部要因ではありますが、すでに業界で地位を確立している場合もあります。しっかりと優位性の確認しつつ自社との差別化ポイントを見定める必要があります。
- 新規参入の恐れがある競合: 同様の技術、製品、サービスを有する企業の参入。企業規模や業界の信用など参入障壁は業界により、さまざまではありますが、プレスリリースなどや業界メディア、業界紙で新規参入する企業がある場合既存競合に対しての対抗策がある場合があるため要チェックです。
競合他社のサイト分析
競合は大きく3つに分かれていることが把握出来たら次に実際に競合の分析を実施します。
競合の企業としての実態を見ることも重要ですが、ウェブ上での競合も多数存在するはずです。今回はSEOを考慮した製造業のBtoBサイト構造のため、競合のウェブサイト分析を実施します。調べるべき点は下記を参考にチェックをします。
- 競合のナビゲーション: ナビゲーションはサイトに訪れたユーザーを案内する表示の一つです。このナビゲーションがどのような構成になっているかはサイト構造に通じる部分があります。
- ページ構成: ページを大まかにサイト構造(階層)としてチェックしていきます。
- 優位性・特長: 競合がどのような点で優位性を主張しているかを確認します。
- 製品・サービスページの構成: ページの内容が見やすいかわかりやすいかをチェックします。
- 実績・事例ページ: 利用、使用、採用、活用などといった事例や実例の掲載有無、掲載したページ構成を確認します。
- サイトのゴール: 問い合わせ、相談、見積、カタログなどのウェブサイト上で達成したい目標が何か確認しましょう。場合によっては中間ゴールとしてメールアドレスを入力するだけのカタログや資料のダウンロードを設けている場合があります。
上記をポイントに競合のウェブサイトがどのような構成・構造になっているのかを分析し、自社と比較を行いいます。
業界の競合状態などを整理するにはファイブフォース分析を合わせて行うと整理がしやすくなります。
自社の優位性を把握する
自社のサイト構造を定めるための要素として「キーワード」「競合」を把握してきました。さらに自社の優位性についての理解を深めておくと、競合の優位性と比較した際に「競合の優位性を自社も保有している」「自社の方がより優位な条件である」「競合の方が○○の点が強い」という視点で比較ができます。
この比較をすることでこの後定めるサイト構造やページ構成に影響をするため、このプロセスは省かずに実施することがよいでしょう。
競合優位性の見つけ方
シンプルな方法として箇条書きにする方法がいいでしょう。特に分類などを気にせずに自社の強みと競合の強みを思いつく限り書き出します。競合の優位性は細かいリサーチデータや内部情報が無いと分からないケースもあるため、ウェブサイトに掲載されている内容やインタビューや他のメディアに掲載されている内容を基に作成しましょう。
シンプルな優位性の書き出し例
プラスチック加工や成形などの製造業の優位性を下記に例として書き出します。
自社の優位性
- ○○の精密成形で特許取得
- ある方式で日本および国外で特許取得
- クリーンルーム設備
- 非常に多種多用な検査設備を有す
競合の優位性
- 24時間の生産体制
- 小ロット多品種生産に対応
- 最短納期2か月
- 金型がある場合は最短3日も可能
上記は4つずつ項目を並べただけですが、一目でどのような違いがあるのかが分かるかと思います。
この方法を基にさらに細かく優位性について比較、分析を行う場合は、優位性の価値、希少性、模倣困難性、組織の視点から分析できるVRIO分析を行うと、他社競合と自社の競争するべきポイントを詳細に整理しやすく、サイト構造やページの設計に役立ちます。
製造業・メーカーのサイト構造
100社以上を分析したサイト構造の前提
モデルとなる製造業のBtoBサイト構造を作るにあたり、今まで制作してきた実績に加えて製造業のサイトを検索などを行いリスト化して各サイト構造を参考に今回のサイト構造を作成しています。
製造業といってもはばがあるため、「繊維工業」「木材・木製品製造業」「パルプ・紙・紙加工品製造業」「化学工業」「プラスチック製品製造業」「ゴム製品製造業」「非鉄金属製造業」「金属製品製造業」「電子部品・デバイス・電子回路製造業」を対象にサイトを参考にしています。
参考にしたサイトは特定のニーズ関連キーワードで上位表示されるサイトだけを基準にしておらず、企業規模、サイト構造、ページ構成、デザインをみて参考リストに入れております。
製造業・のサイト構造モデル
パターン1:製品点数が多いサイト
金属製品製造、電子部品、ゴム製品製造、繊維商品の製造業では製品点数が多く、また分類が多岐に渡る製品を製造している企業も少なくありません。そのような企業では製品が非常に多いため、製品の見せ方、導線の作りかたをどのようにするかがポイントです。
- トップページ製品一覧、カタログ、技術情報、よくある質問への導線をコンテンツとして盛り込むと閲覧者が迷子になり難い
- 製品情報分類、カテゴライズを分かりやすく。取り扱い製品によっては用途、問題、課題別などの顧客視点の分類を用意
- 製品から探す
- 用途から探す
- 利用シーンから探す
- 困りごとから探す
- 製品A
- 製品B
- 製品C
- 製品D
- 仕様書・カタログダウンロード製品ごとに仕様書やカタログのダウンロードができるページであり、製品情報と内部リンクさせます
- 製品A:仕様書・カタログダウンロード
- 製品B:仕様書・カタログダウンロード
- 製品C:仕様書・カタログダウンロード
- 製品D:仕様書・カタログダウンロード
- サポート・技術情報製品の技術に関する情報やサポート関連のページ群をまとめたページです。ここの下層ページは製品情報とリンクさせます
- ダウンロード
- 使い方
- 修理・メンテナンス
- 技術仕様
- よくあるご質問
- 用語解説
- 導入事例・実績製品の導入、利用、使用、採用、活用の事例、実績を掲載するページ。製品属性により見せ方が変わる
- 私たちの特長(私たちの技術)自社の優位性、特長を記載するコンテンツ。単純に優位性を伝えるだけではなく自社ブランドを発信するためのページとして機能させる
- 企業情報会社情報、理念、沿革、事業所、などを掲載するページ
- IR情報上場している会社であればIR関連情報を掲載
- お知らせ自社のお知らせを掲載
- ブログコンテンツマーケティングの一環でお知らせに該当しない活用方法、技術などの情報を配信するページ群として利用
- 資料ダウンロード製品や仕様に関わる資料のダウンロードフォーム
- お問い合わせ企業のお問い合わせフォーム
- 採用情報採用関連の情報は必ずナビゲーションに設けておくと求職者が迷わず企業情報を確認できる
パターン2:設備や拠点数が優位性になるサイト
金属、プラスチックの加工、射出成形、繊維系のサイトで使われるようなサイト構造
- トップページ製品一覧、カタログ、技術情報、よくある質問への導線をコンテンツとして盛り込むと閲覧者が迷子になり難い
- 私たちについて自社の優位性、特長を記載するコンテンツ。単純に優位性を伝えるだけではなく自社ブランドを発信するためのページとして機能させる
- 加工・製品情報製品の分類や数が多い場合は上記の製品点数が多いサイトの構成を使い、5つ程度の分類であれば細かく分け過ぎない方が回遊はしやすい
- 製品A
- 製品B
- 製品C
- 製品D
- 保有設備(自社工場)保有している設備の種類、設備の内容、それによって可能とする技術や工法、加工を掲載
- 品質管理・検査一覧品質や検査に関するコンテンツを配置し、組織、体制、信頼性の面を訴求するページ
- 拠点一覧・事業所・工場所在地事業所、製造拠点、工場の商材地などを紹介するページ。拠点ごとに特徴がある場合は拠点ごとのページを作成すると分かりやすい
- 拠点・工場A
- 拠点・工場B
- 拠点・工場C
- 拠点・工場D
- 企業情報会社情報、理念、沿革、事業所、などを掲載するページ
- IR情報上場している会社であればIR関連情報を掲載
- お知らせ自社のお知らせを掲載
- ブログコンテンツマーケティングの一環でお知らせに該当しない活用方法、技術などの情報を配信するページ群として利用
- 資料ダウンロード製品や仕様に関わる資料のダウンロードフォーム
- お問い合わせ企業のお問い合わせフォーム
- 採用情報採用関連の情報は必ずナビゲーションに設けておくと求職者が迷わず企業情報を確認できる
パターン3:事業別に製造項目が分かれるサイト
1社で製造に関する事業を複数保有している場合のサイト構造です。事業ごとに提供できる製品、サービスが異なるため各事業や問い合わせ先を工夫するとユーザーが迷わないサイト構造を実現しやすくなります。
- トップページ事業別、製品別の導線を設けることでトップページから閲覧したユーザーを適切に案内しやすい構造にする
- 事業案内このページでは事業全体の提示に加えて、各事業の機能、提供できる価値を紹介し、各事業のハブとして機能させるページ
- 事業A
- 事業B
- 事業C
- 事業D
- 事業A
- 事業B
- 事業C
- 事業D
- 事業案内このページ自体が各部門の紹介を行いつつ、導線を作ることでハブの役割を担う
- 製造部門
- 技術部門
- 原料部門
- 品質管理部門
- 技術について自社の保有する技術、優位性を記載します。事業や部門ページに記載することが多いですが、ブランディングを目的として「技術」に焦点をあてたページを設ける場合もある
- 生産体制・設備紹介生産する体制として、設備、工場の紹介を行うページを設ける
- 企業情報会社情報、理念、沿革、事業所、などを掲載するページ
- IR情報上場している会社であればIR関連情報を掲載
- お知らせ自社のお知らせを掲載
- ブログコンテンツマーケティングの一環でお知らせに該当しない活用方法、技術などの情報を配信するページ群として利用
- 資料ダウンロード製品や仕様に関わる資料のダウンロードフォーム
- お問い合わせ企業のお問い合わせフォーム
- 採用情報採用関連の情報は必ずナビゲーションに設けておくと求職者が迷わず企業情報を確認できる
事業案内ページに各事業を案内する構造
事業ごとに特色を伝えるサイト構造
事業は一つだが部門別に役割を分けるサイト構造
製造業ページの構成要素
製造業のサイト構造を紹介しましたが、ページに入れる要素として製造系サイトならではの要素をすべてを紹介することは難しいですが、製造系サイトで利用するパターンをここで紹介します。
グローバルナビゲーション
どのページでも概ね共通で表示される要素としてはグローバルナビゲーションがあります。ページの構成によって配置は異なりますが、ページ上部、左や右の配置を多く見かけます。ただ項目を並べるもの良いですが、このメニュー一つでサイト内の各ページへ簡単に行きつけるか、探さないと目的のページたどり着けないのかが分かれます。
ドロップダウンメニュー
製造業は製品や用途の案内がすぐにできると目的とする製品に辿り着きやすいため、ドロップダウンメニューを使い、ここから目的のページに遷移を可能とするようにします。

全画面(フルスクリーン)メニュー
ハンバーガーメニューをクリックした際に全画面(フルスクリーン)で表示されるナビゲーションを採用した例です。製造系サイトでは項目が多くなることがあります。またBtoBの為、サイトにアクセスするデバイスはスマートフォンではなく、パソコンの画面でアクセスする割合が多くなります。その際に画面全体をナビゲーション(メニュー)として活用する方式は扱いやすく、案内しやすいという理由で採用を検討しても良いでしょう。

アコーディオンで開く製品紹介または製品一覧
製品点数が多い商材の場合で製品の区分や分類別にページを持たせる以外の方法として、製品分類名などを選択するとさらに細かい製品が表示されるような仕組みを取り入れた表示方法などがあります。
「アコーディオン」などと呼ばれることもあり、よくある質問などでも使われる開閉できるコンテンツです。メリットとしては分類全体をみることができ、直感的に操作を可能とする点でしょう。あまり多用しすぎると、どこを開いているのかが分かり難くなるなどのデメリットがありますが、有効活用すれば見やすく、目的の製品まで誘導することが可能です。

製品の絞り込み機能
AjaxやCMSの投稿機能、JavaScriptなどで製品や商品の絞り込み機能を実現します。扱う商材やサービスによっては、業界別、用途別、素材別、機能別、ニーズ別、価格別などの分類に加えて、室内、屋外、サイズ、色などの条件を加える場合もあるでしょう。製品が非常に多い場合や取り扱う製造する製品、サービスが多岐に渡る場合はこのような機能が便利です。
製品名やフリーワードでの入力で検索ができるとより便利な場合もあります。ただし製品を整理しデータ化を行い、どのような条件や分類で絞り込みを行うのかなどの設計、機能をウェブサイトに導入する際の工数が掛かるなど、ある程度のコストを必要とします。ただ導入ができれば非常に頼もしいツールになります。

サイト構造やページ構成で気を付けるポイント
これまでにウェブサイトの制作、サイト構造、競合調査など、かかり数のウェブサイトを調査・分析をしてきました。
その中で気を付けたいと思うポイントがあります。基準としてはSEOという側面以外にユーザービリティ、もしくはUI/UXにおいて使いにくく、分かり難く、探しにくく、迷いやすく、不便に感じるコンテンツです。
遥か昔に作られたサイトであれば、お目にかかる機会もありましたが、いまでも「使いにくい」と感じてしまうウェブサイトは存在します。これから制作、またはリニューアルを行う方もいるかもしれませんが、ここではそのような気を付けたいポイントを紹介していきます。
httpsではないホームページ
「https」とは従来のhttp通信に比べて通信を暗号化して外部から盗み見ることができなくする技術です。
個人情報やパスワードな入力してWebを介して送信する必要があるサイトは多くあります。現在ではこの通信を暗号化して外部から読み取れないようにするのが「標準」となっておりChromeなどのウェブサイトを閲覧するためのブラウザ(ソフトウェア)も安全なサイトではありませんと警告が表示されます
またGoogle検索のランキングを定める要素(シグナル)の一つであると2014年に公式に提示をしていることから、自社のウェブサイトが暗号化されたセキュリティに配慮されたhttps通信になっているかの確認は必須と言えます。
新たに調査したサイトでも、数社のコーポレートサイトがhttp(非暗号化)のウェブサイトが運用されている場合がありましたため、もし自社のサイトにアクセスした際に下記のように「保護されていない」となっている場合は非暗号化状態であるため、httpsの実装を進めるようにしましょう。
このままの状態では、アクセスした人の信用を失うだけではなく、最悪通信した内容を盗まれる可能性があります。

モバイル対応をしていないウェブサイト
スマートフォンなどのパソコンの画面よりも小さい端末で閲覧が最適かされていない場合は対応の検討をしましょう。
モバイル対応が必要な理由
- モバイルユーザーの急増とトラフィックの変化 :総務省がまとめたデータによると2023年時点で「スマートフォン」の世帯保有率は90.6%になります。このことから現在は、「モバイルファースト」という概念が主流となっています。モバイル経由でウェブを閲覧はあたりまえとなっており、モバイル非対応のサイトは閲覧がしにくく、見込み顧客を失うリスクがあります。また、5Gの普及により、モバイルでの高度なコンテンツ消費がさらに加速すると予測されています。
- 検索エンジン最適化(SEO)への影響 :Googleは「モバイルファーストインデックス」を採用しており、モバイル版のコンテンツを優先的にクロールし、検索順位に反映させています。Googleha公式でもモバイル対応を非常に強く推奨しています。このことからもスマートフォンなどの端末に最適化されていないウェブサイトは対応させることが重要です。
- ユーザー体験(UX)の向上とコンバージョン率の改善 :モバイル端末で「みやすく」「わかりやすい」ウェブサイトは快適なユーザー体験を提供します。ストレスを感じる環境で情報を探したり、問い合わせをしたいと思うかを考えてみたら答えはすぐにでると思います。過去の制作においてもスマートフォン対応をしたウェブサイトは、ユーザーのアクセス、回遊性、お問い合わせなどのコンバージョン改善につながったケースが多くあります。
- ブランドイメージと信頼性の向上 :モバイル対応していないサイトではパソコン用の構成で表示されます。そのため、画像、テキストが分かり難く、会社のイメージが伝わらないだけではなく、内容も入り難い状況です。また整理されていないサイトが表示されるため、企業イメージを損ないやすい状態と言えます。
モバイル対応を行うには「レスポンシブ」なサイトを目指すといいでしょう。
レスポンシブとは画面サイズに応じて画像の大きさ、文字の大きさ、コンテンツの配置を可変する方法です。いまでは当たり前に導入されていますが、これから導入する場合はレスポンシブWebデザインでの構築を検討しましょう。
表示に時間が掛かり過ぎる
これもあるあるですが、ウェブサイトを開く時に「表示されるまでの時間」は非常に重要です。何秒まで待つことができますか?非常に見たい情報であれば、4,5秒は待つことができることもあると思います。でも興味・関心の度合いが強くない場合、必要に迫られていない状態では1,2秒が限度ではないでしょうか。
これは過去に改修した実績がありますし、多くのサイトでもデータを提示していたりしますが、表示速度が遅い状態だと本当にサイトが見らえれません。容量の大きい画像や動画を表示するようなサイト、処理に時間が掛かるプログラム、外部参照などで表示されないなど理由はいくつかありますが、表示が遅いのは、どんなに便利な機能を入れても見てもらえなければ意味がありません。まずすぐに表示される状態が望ましいといえます。
まとめ
「製造業・メーカーBtoBサイト構造」について紹介をしてきましたが、「製造」といっても多種多様な業種業態があるため、一概にこういうサイト構造が望ましいと決めにくい点がありますが、いくつかポイントがあります。
製造という特色から「製品の見せ方」「設備」「拠点」「技術」「検索」「品質」「納期」など、ユーザーが必要する視点が必ず存在するからです。
これまでの制作実績でもベンチャーから上場企業まで担当をしてきましたが、企業規模による特長も加味して構造、ページの構成を定める必要があり、またそれぞれの技術特性、顧客ニーズの把握の工程はかなり重要視される業界のため、これらのポイントを忘れずにサイト構造を検討するとよいでしょう。