「自社でWebサイトの施策に取り組んできたけれど、正直どのくらい効果があるか分からないし、外部に委託していきなり大きな予算をかけるのは怖い…」
そのような声を中小企業の方から聞くことが多くあります。これまでは「なんとなく」ダイレクトメールを送ったり、チラシを作ったり、「効果がありそう」という気持ちでホームページに対し、手探りで集客をされてきた方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのような方にぴったりの「低予算でも確実に成果が出せるWebマーケティング事例」を5つご紹介します。どの事例も実際に私たちがお手伝いした案件で、月数万円からスタートして売上アップや集客増を実現したものばかりです。
「まずは小さく始めて様子を見たい」「費用対効果が見えてから本格的に取り組みたい」という要望を叶えられ、安心してトライできる事例を選びました。きっと「これならうちでもできそう!」と思える施策が見つかるのではないでしょうか。
※施策内容や数字については記事用に実際の内容から多少変更している点がありますが、成果がでた点の変更はありません
事例1:自社サイト内ブログのSEO集客で月間アクセス5倍

概要
自社サイト内にブログ機能を追加し、地域名や業界特化のキーワードで記事を定期更新を実施。
外部ブログではなく自社ドメイン配下に設置することで、SEOの評価を高めることで集客性の高いページを確保することが可能となる。
短期的な集客ではなく、中長期的な流入を期待でき、輩出したページはサイトの資産になる。
成果例
月間訪問者数が 1,000人 → 5,000人 に増加。
自社商品の販売数が 148% 売上は126% に向上。
初期構築費用の目安
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| CMS導入 | WordPressなどの設置、テーマ設定 | 5〜15万円 |
| デザイン調整 | 既存サイトのデザインに合わせたブログページ作成 | 3〜10万円 |
| カテゴリー・タグ機能 | 記事分類や検索性向上の設定 | 1〜3万円 |
| その他経費 | ディレクション、設計、セキュリティなど | 1〜10万円 |
| 合計 | 初期構築費用 | 10〜40万円程度 |
運用コストの目安
自社執筆:0円(社内工数のみ)
外注ライティング:1記事5,000円 × 月4本=約2万円/月
※ライティング費は1記事5000円前後から数十万まで幅があります
ポイント
- 記事は量より質を重視
- 記事は「地域 × サービス名」「業界用語 × 課題」など、成約率の高いニッチキーワードを狙う
- サービスページや問い合わせページへの内部リンクを必ず設置
- 更新頻度は月2〜4本を目標に投稿
施策実施時の留意点
記事の投稿数は目安としてまず100記事を目標にしましょう。記事を投稿し続けることで、流入に変化がみられるようになります。
ただ大量のコンテンツを投稿するのはNG、質が高い=ユーザーにとって有益である記事の作成が非常に重要です。
事例2:Instagramでの無料集客+ハッシュタグ活用

概要
店舗や商品の写真・動画を毎日投稿し、フォロワー数の増加を狙う
ストーリーズやリールを交えてキャンペーンを実施し、キャンペーンの一環として自社が定めたハッシュタグをユーザーの投稿に付けてもらう。
自店舗の認知を広げ、コンセプトの理解を深めることで「利用したい」という気持ちを喚起し、来店者像を目指す。
成果例
フォロワー数が 1,000人 → 2,000人 に増加。
来店数が月34%増。
初期構築費用の目安
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| アカウント開設・設定 | プロフィール作成、ブランド統一デザイン設定 | 0〜5,000円 |
| 撮影機材 | スマホ撮影(既存機材利用) | 0円 |
| 外注撮影 | 半日撮影+加工 | 2〜10万円/回 |
| 合計 | 初期構築費用 | 2〜10万円程度 |
運用コストの目安
自社運用:0円(社内工数のみ)
外注撮影:1〜10万円/回
ポイント
- リール・ストーリーズなど動画コンテンツを優先的に活用
- ハッシュタグは「地域+業種」や「商品名+用途」など具体的に
- ユーザー投稿(UGC)を促し、拡散を狙う
施策実施時の留意点
Instagramはアプリ内で完結する行動が多くみられるため、サイトへの誘導性は低いツールです。※広告の除く
そのためブランド名や体験をメインに露出させて、認知拡大を図り、結果として能動的に店舗への来店や検索からのサイト流入→商品購入などの行動までを設計することが重要です。
また楽しむためのInstagramのため、営業目的過ぎる投稿は避けられることを前提にし、「ユーザーと一緒に楽しむ」を重視した施策にすることに留意しましょう。
事例3:Google広告のロングテールキーワード運用

概要
競合の少ないキーワード(検索ワード)のリスティング広告を配信。
クリック単価を抑えつつ、高い成約率を狙う。
成果例
クリック単価50円以下、CPA(顧客獲得単価)3,000円でROAS 184%を達成。
※ROAS=(売上 ÷ 広告費) × 100
初期構築費用の目安
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 広告アカウント開設 | Google広告アカウント作成、基本設定 | 0円 |
| キャンペーン設計 | キーワード選定、広告文作成、設定 | 3〜10万円 |
| ランディングページ調整 | 広告向けページの最適化 | 2〜20万円 |
| 合計 | 初期構築費用 | 5〜30万円程度 |
運用コストの目安
広告費:3万円/月
運用代行:1〜5万円/月(自社運用なら0円)
ポイント
- クリック単価50円以下を目安に設定
- 地域性や業種に特化した長い検索語を狙う
- 広告文は「ベネフィット+地域名」など、より絞り込んだワードを入れる
施策実施時の留意点
広告は時期やトレンドにより、検索されるワードの違いや増減があります。一度設定した広告を配信して終わりではなく、適宜広告の設定を調整する必要があります。
また広告だけでは無く、ランディングページも重要な役割になるため、広告のパフォーマンスに応じて改善することが必要になることを予め把握しておきましょう。
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事例4:Googleビジネスプロフィール最適化

概要
店舗や会社のGoogleマップ情報を充実化し、写真や投稿を定期更新。
口コミ対応も行い、検索結果での順位を向上させる。
成果例
地図検索からの来店が月50件増加。
初期構築費用の目安
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| プロフィール設定 | 店舗情報、営業時間、カテゴリ設定 | 0円 |
| 写真撮影 | 店舗・商品写真の撮影 | 0円(自社撮影)〜10万円(プロ撮影) |
| 初期口コミ対応 | 返信テンプレート作成、対応開始 | 0円 |
| 合計 | 初期構築費用 | 0〜10万円程度 |
運用コストの目安
自社運用:0円
月1回の撮影更新:〜10万円/回(必要時)
ポイント
- 写真は季節感に加え、外観・内観・商品・スタッフなど多様なカテゴリを毎月更新
- 口コミ返信は可能なら24時間以内、遅くとも72時間以内を目安に対応
- 投稿機能を活用してイベント、新商品、ブログ記事やキャンペーンも告知
施策実施時の留意点
オンライン以外の実店舗がある事業では、Googleマップなどのツール利用はいまや不可欠な要素です。案外利用していない店舗、ローカルビジネスの情報があっても管理してない店舗は、ビジネスオーナーとして活用をするのがベストです。
また案外放置しがちなのが「口コミ」。好意的な投稿に限らず、批判的な投稿がされている場合があります。放置することで、よくない印象だけが残ります。改善する意思と、誠意を示すことが非常に重要です。
感情的になって、口コミをしたユーザーの揚げ足取り、誤りの指摘、批判逃れと捉えられる投稿は、さらに悪印象を与えかねない行為であることを留意しましょう。
事例5:既存顧客向けメールマーケティング

概要
既存顧客リストに対して、イベント案内やお得情報を定期配信。
特別感を出したオファーで反応率を高める。
成果例
リピート率が20% → 35%に向上。
初期構築費用の目安
| 項目 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| メール配信ツール設定 | Sendinblue、Mailchimp、配信リスト導入 | 0〜5,000円 |
| テンプレート作成 | ブランドデザインのHTMLメールテンプレート | 1〜3万円 |
| リスト整備 | 既存顧客情報の整理・登録 | 0〜1万円 |
| 合計 | 初期構築費用 | 1〜4万円程度 |
運用コストの目安
メール配信ツール利用料:無料〜月3,000円
外注ライティング:1通5,000円~(自社作成なら0円)
ポイント
- 件名は20文字以内で効果的に
- クリック率向上のためCTA(行動喚起)を明確に
- 配信頻度は月1〜2回がベストバランス
施策実施時の留意点
既存顧客に留まらず、ダイレクトメールは場合によっては強力な認知拡大、集客手段になりえます。その一方で「営業」メールを大量に受信しているユーザーが多い現状で、開封してもらうまでのハードルが高いことが課題になります。
1通でも多く開封をしてもらえるために、「目立つ装飾を加える」「興味関心が高い件名に記載する」「配信元を記載する」などの配慮をすることが肝要です。
またサイトのコンテンツと同じで、開封した人にとって有益な情報を記載するようにしましょう。一度でも無益なメールと認識されると、次は開封されないメールとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「【中小企業向け】低予算で成果を出すWebマーケティング事例5選」を紹介しました。
最後に、外部に依頼する際に知っておきたいポイントをお伝えします。
外部委託する際の5つの留意点
- 自社に寄り添って伴走してくれるか
一方的な提案ではなく、あなたの会社の状況を理解した上で施策を提案してくれるかが重要です。 - すぐには成果が出ないことを理解する
ビジネスの理解とマーケティングの最適化には時間がかかります。短期で少しでも成果が出たなら、中長期的な視点で判断しましょう。 - 最低1年程度は様子を見る
本格的な成果が見えてくるまでには、ある程度の期間が必要です。 - 契約範囲外の要求をしない
追加で何かお願いしたい場合は、まず対応可能かどうか、追加費用が発生するかを確認しましょう。 - お互い気持ちよく付き合う
依頼する側も委託される側も人同士です。良好な関係性が成果にも繋がります。
一番大切なのは「どこに依頼するか」
大手の実績や成果を掲げて広告を多く出している企業はたくさんありますが、中には実力が伴わない企業や担当者がいるのも事実です。Webマーケティングは長期的な取り組みになるため、お互いのスタンスや相性がマッチするか、事前にしっかりと確認・すり合わせをすることが大切なことを忘れないようにしましょう。