Googleが注意-JavaScript生成マークアップはクロールの頻度と信頼性を低下させる

海外のサーチエンジン系メディアに気になる記事が投稿されていました。内容としては「JavaScriptで生成したマークアップはクロールの頻度と信頼性を低下させる」という内容です。さっそくGoogle Search Centralをみたら該当の箇所があったので紹介します。

Googleの注意点とは

2024年10月1日にGoogle Search Centralにて下記の文章が追加されました。すこし日本語がおかしい点はうまく補完いただければと思います。

「あなたがあらゆる種類のショッピング結果に対して最適化を行う販売者である場合、最良の結果を得るために、Product構造化データを初期HTMLに配置することをお勧めします。」

JavaScriptで生成される「Product」マークアップについて:動的に生成されるマークアップは、ショッピングクロールの頻度と信頼性を低下させる可能性があることに注意してください。これは、商品の在庫状況や価格など、急速に変化するコンテンツにとって問題となる可能性があります。JavaScriptを使用して「Product」マークアップを生成する場合は、Googleからの増加したトラフィックを処理するために、サーバーに十分な計算リソースがあることを確認してください。

原文を確認されたい方はこちらの記事より確認いただけます。
※確認した限りでは日本語版はまだ未反映のようで、言語を「English」に変更すると確認できます。

If you’re a merchant optimizing for all types of shopping results, we recommend putting Product structured data in the initial HTML for best results.

For JavaScript-generated Product markup: Be aware that dynamically-generated markup can make Shopping crawls less frequent and less reliable, which can be an issue for fast-changing content like product availability and price. If you’re using JavaScript to generate Product markup, make sure your server has enough computing resources to handle increased traffic from Google.

まず最初の行についての補足としては以下です。

  1. 「あらゆる種類のショッピング結果」とは、Google検索結果ページに表示される様々な形式の商品情報(例:通常の検索結果、画像検索結果、ショッピングタブなど)を指します。
  2. 「Product構造化データ」は、商品の詳細情報(価格、在庫状況、レビュー等)をWeb上で体系的に表現するための標準化されたデータ形式です。
  3. 「初期HTML」とは、ページが最初に読み込まれる際に送信されるHTMLコードを指します。これは、JavaScriptによる動的な生成とは対照的です。
  4. この推奨事項は、Googleがより確実かつ迅速に商品情報を理解し、適切に検索結果に反映させるためのものです。

記載された内容をみていかがでしょうか。正直ECサイトのマークアップは動的にしているケースが多く、すでに稼働しているECシステムを変更せざるを得ない状況なのか頭を抱えてしまいそうです。

この内容はJSでは「急速に変化するコンテンツ」「Googleからの増加したトラフィックを処理するために、サーバーに十分な計算リソース」この2点がポイントではないかと感じました。

つまりサーバ―に十分なリソースがあれば問題ないのでは?とも考えられます。

影響と改善方法について

このGoogleが記載した注意点はさまざまな問題を引き起こす可能性が十分にあります。この記述についての起こる可能性のある影響、改善策などを記載します。

  1. 基本的な問題:
    • オンラインショップの商品情報をJavaScriptで作成すると、Googleが情報を正確に読み取りにくくなります。
    • これは特に、価格や在庫状況など頻繁に変わる情報で問題になります。
  2. Googleの検索結果への影響:
    • 商品情報がGoogleに正しく伝わらないと、検索結果に最新の情報が表示されない可能性があります。
    • これにより、潜在的な顧客に古い情報や間違った情報が伝わるリスクがあります。
  3. ウェブサイトの負荷:
    • JavaScriptで情報を作成すると、ウェブサイトのサーバーに余分な負担がかかることがあります。
    • これは、サイトの動作が遅くなったり、アクセスが集中した時にエラーが発生したりする原因になる可能性があります。
  4. 改善策:
    • 商品情報をJavaScriptではなく、通常のHTMLへ直接記述することをGoogleは推奨しています。つまりPHPやHTMLファイルにハードコーデングを行う方法になります。
    • どうしてもJavaScriptを使う必要がある場合は、サーバー側で情報を準備して送る方法(サーバーサイドレンダリング)を検討しましょう。
    • システムの改修ができないなど上記方法が難しい場合はサーバーのスペックアップを検討しましょう。トラフィックによってリソースが圧迫されると、頻度低下、信頼性低下に繋がると解釈できますため、より高スペックにするなどが有効である可能性があります。
  5. 情報の管理:
    • 商品情報を定期的に更新し、常に最新の状態を保つことが重要です。
    • Googleに直接商品情報を提供できるサービス(Google Merchant Center)の利用も検討しましょう。
  6. 定期的なチェック:
    • Googleが提供する無料のツールを使って、自社サイトの商品情報が正しく読み取られているか確認しましょう。
    • 実際の検索結果で自社の商品がどのように表示されているか、定期的にチェックすることをおすすめします。
  7. 専門家への相談:
    • これらの対策が難しいと感じた場合は、ウェブ開発やSEOの専門家に相談することをおすすめします。
    • 専門家の助言を得ることで、より効果的な対策を立てることができます。

最後に

今回の変更は正直に対応を行うと、ECシステムの改修、サーバサイドレンダリングへの変更など、費用的、時間的なコストが非常に大きい記述です。

最近では表示速度に優位性のあるサーバサイドレンダリングなどが徐々に浸透しつつある中で、今後のウェブサイトの在り方が問われているようにも感じられました。

これからECサイトを立ち上げようと考えている事業者にとっては、再考の余地がある内容かと思います。
今後この記述がどのように影響していくか、要観測になりますね。

0円からはじめるWebマーケティング運営
0円からはじめるWebマーケティング運営者 https://zero-marke.jp/

Webの仕事に20年以上携わり、Web戦略支援、Webマーケティング、Webサイト制作、Webメディアの運用、Web広告の設計から運用などを担当。ナショナルクライアントから中小、ベンチャー、個人事業主までさまざまなクライアント様の仕事に従事。

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