リスティング広告、Instagramの広告、広告用のLP(ランディングページ)、会社のホームページ、製品・サービスサイト、ECサイト、コンテンツマーケティングなど、Web広告・Webメディアの「効果が思うように上がらない」とお悩みを抱えていませんか?
言葉の書き方、使い方で人が受ける印象は大きく変わります。
いま「Webの成果がでない」ことに大きな課題を抱えてらっしゃるなら「バーナム効果」を考慮することを検討してはいかがでしょうか。
この心理学的な概念を上手く利用することで、これまで結果が出なかった広告などを「魅力的」なものに変えることが可能です。この記事では、バーナム効果の基本からWeb広告やホームページにどのように応用できるかを、例を交えて紹介していきます。
バーナム効果の提唱者
バーナム効果は、アメリカの心理学者ポール・ミールが、興行師のフィニアス・テイラー(P.T.)バーナムの”we’ve got something for everyone”と述べた言葉から「バーナム効果」と付けたそうです。
この効果を検証した米国の心理学者バートラム・フォアの「フォアラー効果」と呼ばれるそうです。
日本における「バーナム効果」「フォアラー効果」はどちらがメジャーなのか
日本では「バーナム効果」の呼び方がメジャーでGoogle Trendsでのトレンドをみるにフォアラー効果はほぼ「0」なのに対し、バーナム効果は多く検索がされているようです。
キーワードの母数についても過去1年の動向では「バーナム効果」が2万前後、「フォアラー効果」が150前後という結果でした。

バーナム効果とは
バーナム効果とは、誰にでも当てはまりそうな曖昧で一般的な性格記述が、あたかも自分だけに当てはまるかのように感じてしまう心理現象を指します。
例えば、「あなたは時々内向的で、時には社交的になることがあります」といった記述は、ほとんどの人が当てはまるため、自分に特有のものだと感じる人が多いのです。
占いで使われるバーナム効果
占いでは、このバーナム効果が頻繁に利用されています。以下の質問にあなたはいくつ当てはまるでしょうか。
- 過去の失敗から重要な決断をするときに迷ってしまう
- 以外と落ち込みやすいが、すぐに立ち直ることができる
- 人から嫌われたくないので、ついついいい顔をしてしまう
- 嫌なことがあっても、強く言えない時がある
- 楽しいことが好きで、夢中になってしまうことがある
- お互いの意見が合わず、好きな人と離れたことがある
- 潜在的な才能があるので、明日から発揮することができる
占いの質問風を並べてみましたが、当てはまるものはあったのではないでしょうか。
これほどまでに分かりやすい質問はしないと思いますが、占い師や占いの、多くの人に当てはまる質問を行い、自分に特有のものと錯覚させる手法が使われていると言われています。
身の回り溢れる「バーナム効果」
「曖昧な言葉で自分に当てはまると思ってもらう」「自分ごと化させる」「幅を持たせた言葉を添える」「当てはまりそうな問題提起する」など、バーナム効果を活用するための手法として紹介されている場合が多いです。
美容系の例でいうと「最近気になるシミをなんとかしたいあなたに」というコピー文などが考えられます。
このようにバーナム効果を意識した広告、パッケージは世の中に溢れており、利用されているということは、事業者や一般消費者に受け入れらると判断されているからだと考えられます。
このように自身の経験と照らし合わせて肯定してしまうような「曖昧な言葉」で、自分のことに当てはまるという心理は、Webサイト、Web広告に活用することができますが、あまりに露骨なものは嫌厭されますので、悪用や使い過ぎは厳禁です。
Web広告にバーナム効果を応用
バーナム効果は、Web広告にで効果的に応用することができます。例えば、「このサービスは、あなたのように成功を目指すビジネスマンに最適です」という広告文は、幅広いターゲットに訴求することができます。
もちろん広告ではターゲティングが重要な要素の一つではありますので、目的が「ビジネスで成功したい人」を幅広く集めるということであれば、この打ち出し方は悪くないように思えます。
このように、曖昧で一般的な表現を使うことで、多くのユーザーに「自分のための広告だ」と感じさせることができますが、広告を届けたい相手(ターゲット)が「どのような気持ちでいて」「どんな欲求・要望があり」「結果どのようになりたいか」そして「欲求や要望を満たすための情報収集手段は?」という消費者の購買行動に基づいた広告文にしなければ、誰にも反応されない広告になることに注意が必要です。
また、広告のクリック率を高めるために、あえて具体的な情報を提供しすぎないテクニックもあります。「頭が良くなる食べ物は○○です」と記載するよりも「頭が良くなる食べ物は?」と書いた方がクリックしてもらいやすいのではないでしょうか。
また具体的に出す方が良い例として、高校や大学の進学塾であれば競合が列挙されているので、「○○大学合格率○○%」と書くことで、志望校を受験するターゲットのクリックを見込むことができます。
このようにユーザーに「もっと知りたい」と思わせる余地を残す。達成する目的が明白にする。という使い分けを行うことで、クリックされやすくなる傾向があります。
バーナム効果の例
- リスティング広告キーワードを交えた広告見出しに応用しつつ、必ずクリック先のLPと文脈がつながるようにすると効果的です。
- ディスプレイ広告集客を目的とした場合に、ターゲットに幅広く当てはまるテキスト文を使うのが親和性が良いと考えられます。
- 動画広告動画広告のサムネイル画像、テキスト文に入れるのが効果的です。
- META広告(Instagram・facebook)投稿画像、動画、広告文に入れられます。インスタグラムのカルーセルが活用しやすいですが、次のスライドを魅力的にしないとエンゲージメントが低くなります。
ホームページにバーナム効果を応用例
バーナム効果は、ホームページのデザインやコンテンツ作成にも応用できます。例えば、「この商品は、あなたの生活をより豊かにします」といった曖昧なフレーズを使うことで、多くの訪問者に自分に関係があると感じさせることが可能です。
また、ランディングページにおいては、訪問者が自分のニーズに合った情報を簡単に見つけられるようにするために、パーソナライズされたメッセージを表示することが効果的です。こうすることで、訪問者がそのページに特別な価値を感じやすくなり、コンバージョン率の向上が期待できます。
- LP(ランディングページ)広告のランディングとして使われるページではページ上部のコピー文、上部コンテンツの「課題・問題」コンテンツに活用できます。例えば「こんなお悩みはありませんか」といったコンテンツとしての利用は目にした方も多いのではないでしょうか。
- 製品・サービスサイト製品・サービスに特化したWebサイトでは、製品・サービスを活用した課題解決コンテンツでの利用が考えられます。製品やサービスごとに解決できることが異なりますので、紹介する見出しなどに利用を検討するとよいでしょう。
- ECサイト商品一覧の見出し、商品詳細ページの説明文で利用するケースが多いです。美容関連のECサイトでは、お悩み別、体の場所、得られる効能種別のコンテンツでの利用が考えらえます。
- コーポレートサイト自社サービスページ、実績、事例への利用をするケースがあります。あまり利用することはありませんが、他社競合と差別化を顕著にしたいケースなどで、利用を検討します。
- ニュース、ブログ系サイト広く利用されているページをよく見かけることがあるかと思います。見出し、記事内のコンテンツとしての利用がされます。