GoogleのJapan Blogにて「AIによる概要（AI Overviews）」の記事がリリースされましたね。この機能自体は2024年5月にアメリアを対象として実装されていましたが、8月15日に日本も対象になりました。情報をすばやく検索して、ウェブ上のあらゆる情報を探索できるよう、Google検索に実装されたようです。「AIによる概要 (AI Overviews)」が実際にどのような技術なのか、変更点はどのようなものかをGoogle検索、Webマーケティングやホームページ制作に関心のある方々に向けて分かっている範囲で紹介していきます。
Google検索におけるAIによる概要とは
Google検索におけるAIによる概要（AI Overviews）とは、Googleが検索結果ページに表示する、AIが生成した要約情報のことです。これは、ユーザーが求める情報を瞬時に理解できるように設計されており、従来の検索結果よりもさらに簡潔でわかりやすい形式で提供されます。この機能は、特に長文や複雑なトピックにおいて、ユーザーが素早く情報を把握できるようサポートします。
AI概要は、検索クエリに応じて、関連性の高い情報を複数のソースから引き出し、統合して表示します。このプロセスには、自然言語処理（NLP）や機械学習（ML）などの高度なAI技術が使用されており、情報の精度と有用性が大幅に向上しているようです。
何が変わった？Google検索結果の表示と内容
まずは画像左がAI Overviews表示される前の検索結果、右が表示された状態です。検索結果の最上部はいままでは検索1位のサイトの内容が表示されていたが、AIniよる概要（AI Overviews）では検索結果上位のサイトも表示されているが、概要となるテキスト文は表示される前とは異なる点が確認できるだろうか。
これはGoogleのAI側でより有効と思われる内容を表示していると思われるが「缶コーヒーに含まれる砂糖何杯分」という質問についてはAIによる概要 (AI Overviews)表示前の方が分かりやすく感じますね。
日本への実装ははじまったばかりなので最適化されていないのか、学習中なのかはわかりませんが、まだまだ改善の余地はありそうだと感じます。
画像左：AI Overviews表示される前の検索結果、画像右：表示された検索結果
検索順位に関わらずコンテンツが表示されるチャンスがあるか
AIによる概要(AI Overviews)が生成した内容を見てみると、検索上位ページの他に別サイトのページ表示されているのが確認できるかと思います。
いくつか検索キーワードを変えて検索をしてみましたが、別サイトのページが上位表示の確認ができませんでした。※少なくとも5ページ（1位～49位）までには表示確認できていません。
「AIによる概要(AI Overviews)」の検証が必要だと思いますが、上位表示がされなくても検索結果の上部に表示される可能性があるのではないでしょうか。
2. AIに認識されやすいコンテンツ作成はできるのか？
AIが内容を正確に理解できるように、コンテンツは明確かつ簡潔に構成する必要がありますが、どのようにすればAIによる概要に採用されるのかに関する情報はまだ出回っていないようです。
AIによる概要をオフにする方法
2024年に日本でも表示されるようになった「AIによる概要（AI Overviews）ですが、2024年12月末にGoogleトレンドで確認したところ「aiによる概要 オフ」が急激増加の注目関連キーワードとして表示されていました。
情報の精度が悪いケースがあり、また多く表示がされていないのもあり、気にしていませんでしたがモバイル表示で画面の多くを占有する場合があるため、「邪魔」と感じている人も多いようです。
AIによる概要をオフにする方法
現在Googleが公式に提示している「AIによる概要など」をオフにする方法を紹介します。
PCとAndroid端末で少し手順が異なりますので、その点も合わせて紹介します。
- 1．Chromeを開き新しいタブを開く ：Android端末の場合は下部画像のどちらかをタップします。
- 2．Search Labsのアイコンをクリック ：Android端末でも同様のアイコンが表示されます。
- 3．Search Labsの画面が表示 ：オフの場合は「詳細」と記載されている箇所が「オン」と表示されます。「詳細」となっている場合は機能がオンになっているので次のステップに進みオフにします。
- 4．AIを使った機能内の「AIによる概要など」をクリック ：機能がオンの場合は「検索開始」と記載されています。
- 5．「AIによる概要など」をオフに切り替え ：下記画像の箇所でオン、オフの切り替えができます。色がグレーならばオフ、ブラックならばオンになっています。
AIによる概要へのGoogle広告配信
2024年5月に行われたGoogle Marketing LiveにてアメリカにてAIによる概要内にて検索とP-MAXの広告配信をするとアナウンスされていました。この機能は現在、米国内でのモバイルユーザーを対象に展開されているようです。
広告表示することのパフォーマンスは？
「AIによる概要など」の機能をオンにした状態では多く表示されることが分かっています。※独自で調査した結果オフだと10%に満たないですが、オンの場合は40%強程度で表示が確認されました。
2024年12月現在、日本ではまだ実装されていないようですが、もし多くの人がAIによる概要を利用し、4割～5割程度表示される状態と仮定した場合、この広告は有用に機能するのではないかとみています。
ただ、上記Googleトレンドで記載した通り「AIによる概要など」をオフにする検索がされていることから、この機能を使いたくないと思っている層がいることも事実です。公式に日本における利用者層、利用率のデータが欲しいところです。
しかし広告の表示、リーチをすることにより購買や利用、認知の機会が得られると考えると、今後の展開が楽しみですね。この件については続報を待ってみましょう。
まとめ
AIによる概要は未来の検索エクスペリエンスになれるか
AIによる概要(AI Overviews)は、GoogleだけはなくWebにおける検索の未来において重要な役割を果たす要素になりそうです。ChatGPTの利用もIT業界にとっては、利用・活用は特別ではなく、業務の補助に活用するなど定着してきています。
Microsoftの検索エンジンBingではMicrosoft CopilotというAIを利用して、情報を見つける事がでるるようになりました。今後もAI技術の進化により、検索体験はますます高度化し、ユーザーにとって便利で効率的なものとなりそうで、今後の発展が楽しみです。
最後に
AIによる概要は、現在では「表示される精度が良くない場合」「表示したくない層がいる」など、利用されないこともありますが、すでにさまざまなAIによる検索エンジンが利用されてきています。Google検索以外の選択肢が増える中、Googleも「Gemini」をリリースするなどAIによる検索やユーザーとの対話できるツールのサービス開始がされています。
このようなAIとの対話が今後の検索の一部を担うと考えられており、実際に導入されている検索も存在するため、近い将来どのように進歩するのかが楽しみです。
