これまでにGoogle広告を配信や運用をしてきた中で、成果を出すためにさまざまな試行錯誤した結果、成果の出たやり方、出なかったやり方を交えて紹介します。
注意いただきたいのが、すべてが同じケースではなく、必ず広告は調整が必要になります。
ただある程度ポイントを押さえておけば、一定の成果がでるのがWeb広告です。そのポイントを踏まえてGoogle広告の配信、運用の参考にしてください。
Google広告の設定を一から知りたい方はこちらの記事を参照ください。
まずはグーグル広告アカウントを作る
とりあえずグーグルの広告を配信したことが無い場合はグーグルで広告配信をするためのアカウントを作成します。アカウントの作り方は簡単で下記の2ステップを実施してください。
- STEP1Googleアカウントの作成
- STEP2ビジネス、キャンペーン、支払いの設定
STEP1 Googleアカウントの作成
1-1.Google広告画面へ
下記のリンクをクリックすることで広告のアカウント作成画面へ移動することができます。※別タブが開きます。
Google広告の画面(https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/)

1-2.Googleにログイン
Googleにログインをします。アカウントを持っていない場合はアカウントの作成ができるので、Googleアカウントを作成しましょう。
アカウントの作成は名前、生年月日、ユーザー名、パスワードの入力が求められます。

STEP2 ビジネス、キャンペーン、支払いの設定
次に、広告を新規にはじめる方はビジネス、キャンペーン、支払いの入力が必要になります。支払い方法はクレジットカードや銀行口座が利用できますが、予めどの方法で広告費を支払うのかを決めておくとアカウントの設定がスムーズになります。
2-1.ビジネス情報を追加する
ビジネスの名前(省略可能)WebページURLの入力をします。まず設定だけをしたい場合は省略ができますので「次へ」を選択する方法もあります。ただ後々ビジネスの名前は広告設定の際に必要になるため、特に理由がなければこの段階で入力しておくと良いでしょう。

2-2.キャンペーンの目標選択
広告で達成したい目標を選択する画面です。この設定は後々設定することが可能なため、ここは一旦「スキップ」を選択します。

2-3.キャンペーンタイプを選択
広告を設定する「キャンペーン」という単位の設定画面です。まずはアカウントを作成するだけなので、この項目も「スキップ」を選択します。

2-4.アカウント設定の確認
請求先の国、タイムゾーン、通貨を確認して間違いが無ければ「続行」を選択します。

2-5.アカウントとお支払いの設定の確認
ここで支払い情報の設定を行います。支払い方法についてはクレジットカード、デビットカード、銀行口座などが選択可能です。
またGoogle広告のコンサルタントによる電話などの個別相談を希望できます。広告がはじめての方や、広告に課題を抱えている方は希望することをおすすめします。

ここまでがGoogle広告のアカウントに関わる手順です。まずはここまでの手順をを踏んで広告アカウントの作成をします。
グーグル広告の種類を知る
Google広告で配信が可能な主な広告を紹介します。
- リスティング広告:検索結果ページに表示される広告で、ユーザーの検索意図に基づいて表示されるため、認知拡大から、コンバージョンの獲得までさまざまな目的を設定しやすい配信形式です。
- ディスプレイ広告:ウェブサイトやアプリに画像や動画で表示される広告で、視覚的に訴求し、潜在的なユーザーに対しての認知拡大を目的とした接点に非常に優れた配信形式です。
- デマンドジェネレーション:興味関心に基づきYouTubeやDiscoverなどで表示される広告になり、上記のディスプレイ広告よりも幅広い媒体での配信が可能です。新しい需要の喚起を目的とした場合にに適した配信形式です。
- P-MAX:検索・YouTube・GmailなどGoogleが保有するあらゆるメディアへ配信を可能とする広告で、さまざまなチャネルに対してコンバージョンが最大化するようにAIによるに最適化された広告が自動配信される広告形式です。
広告配信で迷ったらまずはP-MAXを試してみる
まずは広告配信をしたいと考えている場合で、細かい設定が難しいという方はまずP-MAX広告を試すのも良いでしょう。
P-MAX広告は細かい設定が不要で、他の広告に比べて広告配信がしやすく、コンバージョンに至りやすい広告であります。
複数のP-MAX広告を配信していますが、条件が特殊な場合を除いて、今のところ成果が出ている広告の一つです。まずはP-MAXの構成がどのようになっているのか、設定はどのようにするのか。という段階から紹介していきます。
P-MAX広告の構成
P-MAX広告は「キャンペーン」「アセットグループ」「アセット」という単位で構成されています。

スーパーのチラシに例えると「アセット」は配布するチラシと考えると分かりやすいです。新装開店チラシと特売チラシの2種類を配布するとします。アセットグループはこの2種類のチラシを同時期に配布するので、同じ配布期間のチラシというグループ。キャンペーンは新装開店に配布するチラシを配布する期間、チラシの枚数、地域の区分と思ってください。
そしてチラシには商品名や画像、価格、特売日の情報が記載されているのと同じで、アセットには広告の見出しや説明文、画像、動画が含まれます。
P-MAX広告を設定してみる
P-MAXキャンペーンを作成

Google広告の画面の一番左にある「+」アイコンの付いた「作成」を選択して、さらに「キャンペーン」を選択します。
目標の選択

キャンペーンの目標を選択する画面が表示されますので、達成したい目標を選択します。
コンバージョン目標の選択

選択した内容によって変わりますが、コンバージョン目標の選択をします。ここで適切なコンバージョンが無い場合は後で設定できますので、下部にある「続行」を押してしまいましょう。
キャンペーンタイプの選択

配信するキャンペーンタイプを選択します。いわばここで、どの形式の広告を配信するかを決定します。今回はP-MAXの広告を配信したいため「P-MAX」を選択します。

P-MAXキャンペーンを選択後、Merchant Centerアカウントの商品宣伝をする項目と、キャンペーン名を付ける項目が表示されます。ECサイトなどを運営しており、Merchant Centerに商品を登録している場合はここで宣伝するにチェックを入れて、Merchant Centerのアカウントを選択しましょう。
キャンペーン名は日本語、アルファベット表記どちらでも問題はないですが、複数の広告を配信する予定がある場合は、識別できるようなキャンペーン名を付けましょう。
検索ワードの需要を知りた場合はリスティング広告がオススメ
自社の事業、サービス、商品に対してどのようなワードで検索されているかを知りたい場合は「リスティング広告」を使うと分析に活用ができます。
もちろん広告のため、集客からコンバージョンまでを期待することができるだけではなく、需要のある地域、アクセスの多い時間帯、ユーザーに関連する情報などを獲得することができるため、マーケティングデータとしても有効活用ができます。
リスティング広告のやり方自体は下記のリンクからご確認ください。
リスティング広告関連記事
Googleリスティング広告のやり方 費用 運用-Web広告
グーグル広告で成果がでるのか?
サービスを提供する側のためよく聞かれる質問として「成果ってでるのか?」という質問をよくいただきます。
成功する割合というのがありますが、数字を均していくと配信したGoogle広告の70%-80%ほどは概ね期待した結果が得られています。
期待を3段階として1:及第点、2:期待通り、3:期待以上とした場合、「3」の期待を得られることもあれば、1が続くこともあるため、期待しすぎは禁物です。
成果が出なかったパターン
上記では70%-80%程度は成果が得られたと記載しましたが、逆に成果が得られなかったパターンはどのようなものか紹介していきます。
- 広告予算が少なすぎる
- 短期の結果で切り上げる
- 思い込みで広告配信する
広告予算が少なすぎる
お試しで広告を配信したいが、失敗した場合の損失を小さくしたいということで、非常に低額の広告予算での配信を求められる場合があります。このような場合は広告配信で成果を得られない可能性があります。
わかりやすくざっくりとした例えですが、過去のデータで
1CVあたり1,000セッションが必要とします。この場合コンバージョン率は0.1%です。
広告予算が10,000円の場合、1日あたり約333円(ひと月あたり30日)
1クリック単価が平均100円だとすると1日あたり3-4クリック獲得できます。
ひと月で90-120クリックの獲得です。
上記の通りコンバージョン率が0.1%の場合1,000クリックが必要となります。1,000クリックを獲得するまでにおおよそ10ヶ月程度、約10万円が掛かる見通しです。
さて、この状況で10ヶ月間延々と広告をかけ続けることができるでしょうか。もしかしたらその0.1%が初月でヒットするかもしれませんし、10ヶ月以上経過してもコンバージョンが得られない可能性も十分にあります。
まずは広告配信した先のランディングページやサイトがどの程度の割合でコンバージョンに至るのか、どの程度のセッション数が確保するのかを配信する前に認識する工程が必須になります。このあたりは広告配信の設計というフェーズと位置付けておき、事前にマーケティングを行いデータを揃えておくのがベストです。
短期の結果で切り上げる
このパターンはそれなりにケースとしてはよく聞きますし、早めに切り上げてしまったこともあります。
このケースでは以下のパターンが存在します。
予算もデータもある
予算は十分確保して、自社サイトのデータと照らし合わせて、どの程度のサイトアクセスを集めればコンバージョンに至るのかを確認しているのも関わらず、想定クリック数を確保してもコンバージョンに至らない場合があります。
このような場合は端的に広告の設定を見直し、広告から訪れたユーザーの質、ランディングページの見直しなどを行いつつ、広告チャネルでコンバージョンに至るまでにどのような要素が必要なのかを見極める必要があります。
単純に結果が出ないから、早々に損切りをするような対応をせずに、最低半年~1年程度の期間で判断をするといいでしょう。
予算もしくはデータ、またはその両方がない
根拠とするデータが無い場合はサイト育成、広告配信を試行錯誤するこことで結果をどのようにして出すべきかマーケティング活動の一環としてある程度の期間配信しつづけるのが良いと考えます。
広告予算が割けない場合は上記の通り、どの程度のアクセス数を確保すればいいのかを前提に広告設計を再考します。予算もデータもない場合はまずはクリック単価に基づき仮説を立ててクリック数、コンバージョン率から必要クリック数を導くことをおすすめします。悪手は計画も仮説もなく、やみくもにい広告配信を行うことだということに念頭に置くと良いでしょう。
思い込みで広告配信する
「これを行うと良い」「過去にこう言っていた」「このやり方がいいと聞いた」など過去の成功体験や聞いた話、感覚的に良いと感じることなど、どうしてもやった方が良いとバイアスがかかってしまう場合があります。
このような「思い込み」でサイト運営や広告配信を行った場合、方向性に誤りが無ければ良いのですが、そもそも根拠とするものが無いケースが多く広告配信で成果が出ないケースもあります。
外部の会社に依頼した場合はクライアント側音意向は汲む必要もあるため、頭ごなしにNGは出し難い状況です。内外部のメンバーが口を噤んでしまう前に周りの意見を参考に根拠とある事柄を見つけて、本当に良いのかを確認しながら広告の方針、設計を定めることがこのケースで失敗しない方法になります。
もちろん商売柄培った経験や慣例のようなものが通用する場合があるため、すべてが根拠がなければいけないということではないです。定量化がしにくいこともあるため、そのような経験を根拠とする場合は、その経験を書き出して文章化し、パターンやケース、シーン、属性など明示・仕訳をして関わるメンバー間で共通認識ができる状態にすることがベストです。
成果のでるグーグル広告のやり方って?
いままでGoogleの広告配信業務を実施してきた中で成果の出た方法の一部を紹介します。
もちろん事業や状況、時期など千差万別のため必ず成果が出る方法ではないことを前提にして、一つの成果が出した方法として参考にしてください。
成果が出たグーグル広告のパターン
これまでの広告設計から運用配信業務の中で、これをきちんとやっていたからこそ広告の成果が出ている広告のパターンを紹介します。いずれも「当たり前」と思われるかもしれませんが、案外外れている場合もあり、根拠とするマーケティングデータが乏しいケースもあります。
基本路線は下記ですが、どのようなマーケティングによるデータや仮説が出せているか。また過去のデータを参照して考慮されているかという点を押さえましょう。
- 広告とランディングページがマッチした広告配信
- セグメントが明確な広告配信
- ニーズの強いワードを選定したリスティング広告
広告とランディングページがマッチした広告配信
例えば「フランス産赤ワイン」という広告をクリックした先のランディングページで「フランス」「赤ワイン」の記述が少なく、「チリ産ワインの魅力」というページだとしたらどのように感じますか?
恐らくですが探している、もしくは期待している情報と異なるため、ページをざっくり見た後で即離脱するのではないでしょうか。もしくはチリ産のワインについて知れて良かった。という程度で留まる可能性もあります。チリ産ワインをカートに入れて購入してほしいという目的があったとしても、それが達成される可能性は低いでしょう。
上記は非常にシンプルで分かりやすい例ですが、実際には検討を重ねたランディングページだとしても、実際に引き合いやニーズとなるワードとランディングページの内容がアンマッチしている場合もあります。これを回避するためには最初の設計だけではなく、リリース後の調整を重ねてユーザーと広告、ランディングページのギャップを少なくする調整をしていきましょう。
セグメントが明確な広告配信
ウェブサイトでターゲットを意識して制作しますが、同様に広告も「誰に」届けるかを重視する必要があります。広告配信の設計をする際は「STP」で考ええると整理がしやすいでしょう。
STPとはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つを表し、それぞれが「どこの」「誰に」「どのような」を明確にできる考え方です。この点を事前にマーケティングデータなどを収集しつつ、広告設計の時点で行うことで届けたい人に届けやすくなります。
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ニーズの強いワードを選定したリスティング広告
低額の広告予算で効率がいいのはこのパターンです。喉が渇いていますぐ水を飲みたい人に対して、「ここをクリックすると今すぐ水が飲めます」と広告があったらどうしますか?漏れなく多くの方がクリックすることと思います。
上記は非常に極端な例ですが、このように○○が欲しい、買いたい、行きたい、話を聞きたいなどの強いニーズ(すでにウォンツ)ワードはクリック後のコンバージョンに結びつく可能性が非常に高いことが挙げられます。サービスや商品の直接的なワードはすでに知っている。と考えてらっしゃる方も多いかもしれませんが、クリックされるワードは以外にいも当てはまらない場合もあります。年齢、性別などが異なればニーズも異なる場合があります。
そのあたりを加味してマーケティングデータを蓄積、分析していき、ニーズの強いワードを導きだしていく作業も必要になってきます。
ニーズの強いワードは多くの競合も広告ワードとして設定している場合があります。そのような場合の差別化としては広告の見出しやバナーなどのクリエイティブで差別化していくことが重要になってきます。
また冒頭で記載した「低額の広告予算で効率がいい」と記載した理由としてはコンバージョンに結びつきやすく、ワード数が少ないことが多いため、広告配信する1クリックあたりの単価を自社でコントロールすることが可能です。
ざっくりとお話するとGoogle広告のリスティング広告では、キャンペーンの入札戦略設定に「個別クリック単価制」という入札戦略が用意されています。この個別クリック単価制を選択することにより、一つひとつのワードの入札単価(クリック単価)を指定しることができます。
コスト効率を高めるクリック単価の管理にて設定方法など詳しく記載をしてあります。
このようにすることでクリックされる単価のコントロールが可能になり、高額のクリックではなく、低額でクリックしてもらえるように調整することも可能です。この方法のデメリットとしては他の競合が多い場合、クリック単価の入札で上位表示がされない、または広告枠が確保できない可能性がありますが、低額予算での広告配信を強いなければならない場合は有効に機能することがありますので、ますは試し見ると良いでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。成果が出ているグーグル広告のやり方を紹介しました。もっと細かい部分のマーケティング方法、広告の設計、設定や運用があります。ここでは基礎的な方法を紹介しましたが、ここから自社に最適化されたやり方を構築していくことがベストな方法です。
Google広告に限らず、ウェブサイトの制作や集客施策は如何に自社に合った方法を選択するかが重要な要素でもあります。多くの情報が出回る中でまったく同じ方法で上手くいくこともあるかもしれませんが、模倣したやり方に独自性は存在しないため、他社競合が同じことを始めた場合、差別化する点が無くなり、存在するパイを均等に分け合うだけになります。均等ならばいいですが、自社が選ばれずに少ないパイを得る状態になる可能性もあります。
最終的にはいかに差別化・優位性などの特長を露出して、届けたい人に選んでもらうかが重要になります。本質はそれに尽きると思います。成果を出すための方法として紹介しましたが、一つの考え方として参考にしていただければ幸いです。
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