P-MAXキャンペーン改善方法-プレースメント編

P-MAXキャンペーン改善方法-プレースメント編

P-MAXキャンペーンの広告をより良くするための改善方法の第1弾です。今回はプレースメントを管理することで、P-MAXキャンペーンの広告パフォーマンスを向上させる方法です。プレースメントの確認から設定までを紹介します。

P-MAXとは?という方はこちらのP-MAXとは-Google広告の使い方の記事で紹介しています。

P-MAXの事例を見たい方はこちら

プレースメントで改善する

まず大前提としてP-MAXキャンペーンとはどういう広告配信であるかという点です。
検索、youTube、マップ、Gmail、Google PlayなどのGoogleが保有する媒体に広告が配信されます。

中には自社(広告)のターゲットとは接点のない媒体が含まれることがあります。このタッチポイントを制御する試みが今回の改善施策となります。

仮に下記の表のような状態だと考えてください。実際のP-MAXキャンペーンはここまで細かい情報が無いため、タッチポイントであるか否かという点での判断になります。
便宜上広告費など通常確認できない情報を例として表示しています。

プレースメント例として「媒体AのABC」「媒体BのDEA」の比較表です。例えば配信している広告のターゲットとの親和性をタッチポイント度というもので表した場合、費用、クリック率(CTR)の観点から「媒体AのABC」が優れていると判断できます。
もう一方の「媒体BのDEA」については広告の表示回数は多いものの、クリック率が非常に低いことが分かります。ここから先の遷移についてはGA4などで確認する必要がありますが、すべてが「cross-network」と表記されてしまうため、実際に問い合わせといったコンバージョンに結びついているのかを確認することができない状況です。そのため、このプレースメントの段階で判断する必要があります。

プレースメント 広告費 表示回数 クリック数(CTR) タッチポイント度
媒体AのABC 10,000円 1,000 100(10%) 高い
媒体BのDEA 20,000円 2,000 50(2.5%) 低い

今回のP-MAXキャンペーン改善は、このように広告の無駄打ちになっているプレースメントを制御するという方法になります。
上記の例でいうと「媒体AのABC」は配信したまま、「媒体BのDEA」へ広告を配信させない方法です。では次のセクションから配信先を制御の仕方を紹介していきます。

P-MAXの広告配信先を確認する

先ほどのセクションでは、どのような改善であるかを記載しました。ではプレースメントをどこで確認をして、どのように判断するのかまでを紹介します。

プレースメントレポートの確認方法

P-MAXキャンペーンはGoogle広告のディスプレイ広告とは異なり「広告が表示された日時と場所」でプレースメントを確認することができません。そのため以下の手順でP-MAXキャンペーンの配信を確認します。

  • STEP1Google広告左ナビゲーションのキャンペーンを選択
  • STEP2「分析とレポート」を選択しプルダウンしたメニュー内の「レポートエディタ」を選択
    プレースメントの確認方法1と2
  • STEP3レポートエディタ内の項目「広告が表示された日時と場所」の「P-MAX キャンペーンのプレースメント」を選択
    プレースメントの確認方法3
  • STEP4選択後、レポート画面に変わり「P-MAXキャンペーンのプレースメント」「表示回数」を確認することができます。
    プレースメントの確認方法4

上記の手順でP-MAXキャンペーンのプレースメントと、プレースメント毎の表示回数を確認することができるようになります。
2025年2月時点では、他の広告のように「広告が表示された日時と場所」で確認することができず、またプレースメントのパフォーマンスを比較する指標も「表示回数」しか選択ができません。この点はGoogle広告側での仕様変更を待つ必要があります。

プレースメントとは

「プレースメント」とは端的に言うと「広告が表示された場所」です。特にP-MAXキャンペーンは広告の配信先が非常に多くあるため、楽天などの総合ショッピングモール、Yahoo!などのポータルサイト、Google Playのストアページなど、さまざまな「場所」が対象となります。

またGoogleではプレースメントを以下のように定義しています。

YouTube とディスプレイ ネットワーク上で広告が表示される場所です。たとえば、Google と提携して広告を表示しているウェブサイトやアプリが該当します。

  • プレースメントは、ウェブサイト全体、ウェブサイトの特定のページ、単一のページ上の個別の広告ユニット、動画、スマートフォン アプリなど、さまざまなものを指します。
  • 特定の場所を選択するにはプレースメント ターゲティングを追加します。自動プレースメントを選択して、設定したキーワードまたは他のターゲティング方法に基づいて関連性の高い場所に自動的に広告を表示することもできます。
  • プレースメントは、Google 広告の左側のページメニューの [コンテンツ] セクションで管理します。他のターゲティング方法(トピックやキーワードなど)と組み合わせると、いずれかのコンテンツ ターゲティング方法に一致するコンテンツに広告が表示されます。

プレースメントの除外設定

プレースメントの確認までできたら、次はどのプレースメントを除外するかです。
プレースメントを除外するとその「場所」には広告が配信されなくなるため除外は慎重に行う必要があります。

まずはどのようにプレースメントの除外を判断するのか。という点が非常に重要になります。

プレースメントレポート除外はどのように判断するか

レポートのP-MAX キャンペーンのプレースメントでは、「P-MAXキャンペーンのプレースメント」「表示回数」の2つのみが確認できる状態です。
これだけでは判断が難しいと思いますが、下記の内容を加味してプレースメントの除外を判断する考え方があります。

プレースメントの確認方法4

プレースメントとターゲット属性で判断

レポートに記載されているプレースメントはプレースメントの名称がリンクになっています。そのためリンクを辿ることで実際に広告が配信されている場所を確認することができますし、プレースメントの名称で判断することも可能です。
ここで重要になってくるのが、ターゲットがその配信先(場所)とマッチしているかという点です。

マッチしているかについては実際のデータを見て判断するのが一番ですが、分析したデータ、情報でも十分判断できるのではないでしょうか。

アクセス解析ツール GA4と合わせて判断する

GA4のインタレストカテゴリはユーザーの脅威関心を分析することができるため自社のサイトにどのような興味・関心のあるユーザーがアクセスしているのか。エンゲージメントが高いのかを確認することができます。
そのインタレストカテゴリとは関係性の薄い(もしくは関係性のない)プレースメントを除外するという判断ができます。

購買行動 タッチポイントで判断する

ユーザーの購買行動商品やサービスに触れるタッチポイントなどを視覚化したカスタマージャーニーマップと照らし合わせて、プレースメントとの関連性が高いか低いかで判断する方法もあります。

問い合わせや売上に関連する参照/メディアで判断する

ユーザー分析、問い合わせ・売上を増やす方法のの一つとしてホームページの問い合わせを増やすには点ではなく線で改善するをこのサイトで紹介しました。
流入からサイトゴールまでを線で見たときの流入元の「参照/メディア」はどこのメディアからでしょうか。このメディアを一つの指標として、ターゲットユーザーとの関連性が高い、低いという基準を一つ作ることも可能です。

プレースメントとターゲット属性の判断例

上記の通り、判断する基準や指標はいくつかあることがわかりました。以下は過去の事例を基に、ターゲットとその指標を確認し、判断をしたものを例として記載しました。自社のP-MAXプレースメントの除外判断する際の参考にしてください。

小売業のECサイト

ターゲット:35歳以上、買い物、外食などの興味・関心が高い、旅行系メディアから流入で高いエンゲージメントとCV

  • プレースメント:海外アプリのストアページ
  • プレースメント:食や旅行に関するメディアサイト
  • プレースメント:総合ショッピングモール
  • プレースメント:旅行のブログ
女性向けサービスサイト

ターゲット:20代後半から50代ころまでの女性:美容、ショッピング、食などの興味関心が高い、美容関連メディアからの流入が多く、エンゲージメントが非常に高い

  • プレースメント:ショッピングモールサイト
  • プレースメント:美容関連グッズ紹介メディア
  • プレースメント:アプリのストアページ
  • プレースメント:エンジニアリング系のメディア

情報は少ないですが、上記の例ではどのプレースメントを除外にしたらいいでしょうか。
小売業のECサイトであれば「海外アプリのストアページ」が関連性が低いと考え除外にする場合もあります。

女性向けサービスサイトでは「アプリのストアページ」「エンジニアリング系のメディア」が除外対象として検討されるのではないでしょうか。
このようにプレースメントの除外を判断することで、不要な広告配信先を少なくして、有用な配信先を選定することが可能になります。

プレースメントを除外する手順

  • STEP1Google広告左ナビゲーションのキャンペーンを選択
  • STEP2「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」を選択しプルダウンしたメニュー内の「コンテンツ」を選択
    プレースメントを除外する手順1と2
  • STEP3コンテンツ内の「除外設定を編集」を選択※「コンテンツ」と「除外」の2項目がある場合があるため除外が見えない場合はスクロールしてページ下部に移動
    プレースメントの確認方法3
  • STEP4選択後、「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」の3つが表示されるので、「アカウント」を選択
    プレースメントの確認方法4
  • STEP5プレースメントの除外画面が表示されたら「閲覧」「入力」の2つが表示されるので「入力」を選択
  • STEP6入力欄に先ほど確認したプレースメント名を入力※レポートの時点で除外するプレースメントをメモ帳などにリスト化しておき、入力欄に張り付けすると楽です
  • STEP7「○○個のプレースメントを追加」を選択し下部にある「保存」を選択
    プレースメントの確認方法5,6,7

上記の手順を行うことでプレースメントの除外設定は完了です。保存を選択後にコンテンツ内の除外リストに入力したプレースメントがコンテンツ列に表示されるようになります。

コンテンツ内の除外リスト

除外時の注意する点

先ほどの除外する手順で「アカウント」を選択しました。この除外設定はGoogle広告のアカウントで効力を発揮します。
つまり複数のターゲットが異なるキャンペーンを展開している場合は、その広告に対しても除外設定が有効になるということです。

通常はキャンペーンや広告グループ単位で除外を実施しますが、P-MAXキャンペーンの場合は「アカウント単位」でしか除外できない点に注意をしましょう。

除外時の注意する点

除外設定後は必ず効果測定を行う

プレースメントの除外設定した後は必ずその効果測定をしましょう。
効果測定としては以下のデータを確認を押さえておきましょう。

P-MAXキャンペーンのパフォーマンス

まずはキャンペーンのデータを除外した日を起点として比較します。すべて同じ月、日、曜日で比較することはできないですが、表示回数、クリック数の増減、クリック率、平均クリック単価、コンバージョン、コンバージョン単価などを比較して、除外前と後でのパフォーマンスを比べます。

レポートのP-MAXキャンペーンのプレースメント

除外した後のプレースメントもチェックしておきましょう。ターゲットとの関連性が高いと思われるプレースメントの表示回数が増加したのか、減少したのかをチェックします。上記キャンペーンのパフォーマンスに照らし合わせて特定期間のパフォーマンスを推定することが可能になります。
また再度確認した際に、関連性の低いプレースメントが新たに出てくることがあります。このような場合は再度除外の検討をしましょう。

アクセス解析GA4のデータをみる

アクセス解析であるGA4でP-MAX広告のパフォーマンスを確認します。
チャネルはcross-network、もしくはキャンペーン名などでパフォーマンスを判断します。エンゲージメントとコンバージョン数、率を確認して除外が有効であったのかの確認を行うとよいでしょう。

P-MAXの除外設定サイクルを作る

P-MAXはさまなまな配信先をプレースメントという形で確認することができるため、一度除外設定したとしても新たにターゲットユーザーと関連性が低いプレースメントが発見できます。国内向けサービスにも関わらず海外のサイトや言語が異なる配信先といった配信先も存在するため、適宜配信先をチェックして除外するサイクルを作るといいでしょう。

とはいえ、頻繁に確認し過ぎるものリソース過多になるため、毎週月曜AMに確認・リスト化するといったサイクルを広告運用に設けると定期的に広告をチェック、改善するサイクルができあがりますので、曜日は最低限決めておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はP-MAXキャンペーンの改善として「プレースメント」の除外を紹介しました。ただP-MAXキャンペーンは、その多くがAIで配信する広告のため、手を入れずともある程度成果を出してくれる場合もあります。

その一方で、明らかに無駄と思われる配信も少なからず発生しており、その分広告費が発生するケースも存在します。そのような無駄打ちを一つでも無くし、可能な限り広告を見てほしいユーザーに届くように調整すると、P-MAXという広告がより良いものになります。

また広告に限らず改善方法を随時紹介していきますので、改善を行いより良い成果を生んでいきましょう。

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